媒酌人のあいさつ(一般的)

本日はご多忙中にもかかわらず、皆様においでいただきまして、ありがとうございました。ただ今神前において、佐藤、柴田ご両家のご婚儀が、おごそかに、かつとどこおりなくとり行なわれましたことをご報告申し上げます。新郎三郎さんは佐藤家のご次男で、新婦の慶子さんは柴田家の長女であります。そして私から申上げるまでもなく、新郎は前途有望な秀才にきまっているし、新婦は才色兼備の麗人にきまっていますんで、改めてそういうことは申し上げません。

 結婚というものは、ご承知のとおり人生の花で非常にはなやかで、めでたいものではありますが、人生というものは、往々にして必ずしもバラの花をしきつめた、たんたんたる道を行くようなものではないのです。そういう時こそ、夫婦手をたずさえて、大いに難関を切り抜けてゆくべきものであります。ここにめでたく若人達が人生の門出に出発するに際して、ご列席の皆様方に、若人たちに絶大のご支援とご鞭達をたまわらんことをお願いいたします。

 夫婦生活は時にはなかなか複雑で、むつかしいものではあります。これはご新婦に申し上げますが、その点については長年経験のある、あなたの隣りにすわっている私の愛妻におききください。まだこ主人の、一見奥さんに操縦されたと見せかけて、操縦する術はかく申す私におききくだきれば、多年の経験とうんちくを傾けてご教授申しあげます。ここで仲人として定石から申しますと、新夫婦に早く立派な子孫をもうけて、ご両親を安心させてあげなさい、というようなことばがはいるところですが、これは大にしては、国家の人口問題にふれるし、小にしては、これ全く当事者のプライベートな問題なので、私から申し上げることはさしひかえます。

 はなはだ、簡単でございますが、これをもって祝辞とさせていただいて、新郎新婦のために、ご乾杯をお願いいたします。

 

 

媒酌人あいさつ

 

 媒酌人といたしまして一言挨拶させて頂きます。新郎酒井利明さんと新婦佐藤貴美子さんは、本日当会場の神前におきまして、いともおごそかに結婚の式を挙げられましたことを、まず御列席の皆様方に御報告をさせて頂きます。次に恒例によりまして、御両人の御略歴を簡単に御紹介させて頂きます。新郎の利明さんは、酒井万平さんと奥様の幸子さんの御長男として昭和○○月○月○○日、東京でお生まれになり、その後ずっと東京で教育をお受けになって、最後に東大工学部土木科を優秀な御成績にて御卒業、直ちにK建設株式会杜に御入社になって、今日に至っております。酒井家は、御存じの方も本日は多いことと存じますが、非常に堅実な御家庭で、しかも明朗、闊達、御本人はもとより、御両親御兄弟とも、まことに心身共に健康なすぐれた方がおそろいでございまして、現在の日本といたしましては、実に理想的な御家系でいらっしゃいます。

 新婦貴美子さんは、佐藤一郎さんと夫人節子さんの御三女として昭和○○年○月○日、やはり東京でお生まれになりましたが、お父さまの御任地をあちらこちらとお回りになり、最後に東京女子大の英文科をご卒業になりました。頭脳明断の上に、ごらんの通りお美しく、おしとやかな素晴しい現代女性でございます。お二人は、私共の持っております、ささやかな男女交際のグループの中で知り合われ、相当長期間交際をされて、お互いよい面も悪い面も十分に理解されての上の結婚でございますので、私共といたしましては、もう何も心配することはないと確信いたしております。その上、御両家の皆様方のお人格のバランスも非常によくとれておいでになりまして、周りの方々からは全面的に祝福をされていらっしゃいますので、こんなおめでたいことはございません。

 しかし、結婚生活は長い間つづくものでございますし、よい時ばかりではございません。風の日、雨の日、嵐の日がございますように、いろいろな苦しいこと、悲しいこと、悩ましいことなど人生にはつきものでございます。御両人はお二人で強く手をつないで、どんな場合にも労り合い、助けあっていらしてくださいますよう、お願いいたしたいと思います。また、御両家の御両親におかれましては、婿とか嫁とかいう従来の呼び名でなく、娘、息子といった考え方、呼び方でどうぞおつきあい下さいますよう、これは特に私共からのお願いでございます。貴美子さんは、酒井家にとりましては新入社員と同じで、すべての点でわからないことばかりでございます。大先輩であられます御両親、先輩の御兄弟様方、どうぞしばらくの間は、おおらかなお気持で、ほほえましく見つめてあげて下さいませ。寒い日の自動車と同じで、エンジンのかかるまでには相当時間がかかると思いますが、その点もよろしく御理解下さいますようにお願い申し上げます。

 御両人並びに御両家のことにつきましては、私からいろいろ申しあげるよりも、本日御列席のお親しい御先輩、御友人方から御挨拶を頂戴いたしまして、御両人の御幼少時代や学生時代、現代の御生活のあり方などにつきましては、私共も共に拝聴させて頂きたいと存じておりますので、これまた皆様に御協力頂けますようお願い申し上げます。御友人の方の間にはずい分お二人から御相談をおされになった方や、お当てられになってお羨ましかった方もございましょうと存じますから、どうぞ今日はお二人に思う存分おっしゃって下さい。すべてが御当人お二人にとりましては美しく楽しい思い出になることと確信いたします。最後に御両人にかわりまして御挨拶させて頂きます。本日は準備万端不行き届きでございまして、席次などもお若いお二人の考え方でお進めになりましたので、種々手落ちや失礼の数々がございますことと思いますが、未経験者のいたしましたことと御解釈頂き、どうぞお許しくださいまして、最後までごゆるりと御談笑下さいますようお願い申し上げます。

 お二人は、今夜は旅立ちませず東京泊まりでございますので、時間的にもゆっくり致しております故、お開きの後も待合室にお移りいただき、両人から皆様方お一人お一人にお礼を申し上げたいとの希望を持っておりますので、その点もお含みの上、お時間を頂戴いたしたく、よろしくお願い申し上げます。

 以上いろいろとお願いばかり致しましたが、私のご挨拶はこれで終わりにさせていただきます。

 どうも皆様ありがとうございました。


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