ただいま、ご紹介にあずかりました○○でございます。媒酌人といたしまして一言ご挨拶をさせていただきます。

本日12時に当式場におきまして神式により、横井庄一君と津田恵子さんの結婚の式がとどこおりなく相済みましたことを皆さまにご報告申しあげます。

まことにおめでたい次第でお祝い申しあげますとともに、ただいまから新郎新婦をご紹介申しあげます。

新郎横井庄一君は昭和××年、△△県○○にて横井角栄様の長男としてご出生になり、昭和××年に○○市立南中学校を卒業され、昭和○○年に秋田県立由利工業高等学校の工業化学科を優秀な成績でご卒業なさるとともに○○の○○製パンに入社、その後、△△○○学校に入学、経理方面の勉強をされ、卒業と同時に現在の××○○に入社され、目下○○係長として勤務されておるのであります。

皆さんもご承知のように、新郎庄一君は、実に明朗闊達な現代風の青年で、仕事に熱心であるうえ、愛情もこまやかで、社交性もあり、同僚や上役からの信望も厚く、私どもも前途を嘱望しつつ、常日頃、好感を持って一緒に仕事に従事している次第であります。

 新婦恵子さんは、昭和○○年、××県○○市にて津田輝広様の長女としてお生まれになられ、東京の○○××校をご卒業、ただちに△△○○株式会社に入社され、その後、昭和××年にわが社に入社、○○として勤務されました。

 そのときから、新郎新婦には同僚としての交際が始まり、その後、新婦は△△○○にお移りになったのですが、結婚を機会に先月退社され、本日のよき日を迎えるにいたったのでございます。

 新婦恵子さんは、ごらんの通り美しく、愛らしい女性で、なかなかしっかり者であり、一面、明るいご性格なので、職場での評判もよかったのでございます。

 お二人が新家庭をお持ちのうえは、必ずや夫、横井庄一君を助けて、すばらしい家庭を築かれるにまちがいないと思います。お二人は長い交際のうえで、今日を迎えられたことですから、お互いに長所や短所も十分に理解されておられるわけでございますが、結婚生活というものは長期にわたる複雑な事業で、いつもよいことばかり続くものではありません。

 雨の日もあり、風の日もあり、ときには嵐のこともあります。なかなか思うように運ばないのが常でございますから、今日の感激をお忘れにならないで、照る日も曇る日も同じように、しつかりと手をとり合って進んでいただきたいと思います。結婚生活には、なんといってもお互いの思いやりが大切です。相手の身になって物を考えること、そして、相手の気持をくつろがせ、気安くさせてあげるという深い愛情からにじみ出るところの心づかいを毎日の生活の中で忘れないで持ち続けていただきたいと思います。

 本日はご両人の先輩、友人の方たちから、素晴らしい御祝辞を頂戴いたすことと存じますので、私の挨拶はこのへんでとどめたいと思いますが、それにいたしましても両人は、まだ若年で、人生の経験は浅うございます。

 もちろん、横井、津田ご両家の皆さまは、なにかと新家庭に対し、温かい心くばりをなさるにちがいございませんが、ご参席の皆さまにおかれましても、先輩として同僚として、親しき友として、どうかご指導、ご鞭撻をたまわりますようお願い申しあげます。

 最後にご両家にかわりましてご挨拶申しあげます。

 本日は、皆さまには遠路のところ、わざわざご出席くださいまして、まことにありがとうございました。せっかくお越しいただきましたのに、粗酒、粗肴、なんのおもてなしもできませず申しわけもございません。そのうえ、席次万端不行届きでございますが、この点お許しいただきまして、時間の許すかぎり、ご歓談のうえ.新郎新婦の社会への門出を祝福していただくよう、くれぐれもお願いいたし、媒酌人としてのご挨拶といたします。本日はまことにありがとうございました。


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