由樹子さん、おめでとうございます。司会の方は、お二人のなれそめを話すようにとプライバシーの侵害をおすすめになりましたが、フランスのことわざにもありますように"思いやりは友をつくり、真実は敵をつくる"と申しますのでご遠慮いたします。 

 小鳥でも愛の巣をつくるには、朝早くから、チ、チ、チッ、パッパッパと幾日も幾日もかかります。今愛の巣をつくり上げられ、お入りになるばかりのお二人の幸福に包まれたお姿はごらんのとおりで、それまでのことはご想像におまかせします。ただ、由樹子さんが、"わたし、しかたがないので結婚することにしたの"とおっしゃったときはびっくりしました。しかたなく結婚することは許せないと思ったからでございます。

 しかし、頬か輝やくばかりにお美しく、星のようなひとみに幸せが一杯なのを見て、しばらくはみとれておりました。

 イエスをノー、ノーをイエスに使うのは女心でございますが、"しかたがない"が"幸福"の意味を持つということは、由樹子さんから教えていただきました。由樹子さんは幸福でしかたがなかったのでございます。

 新郎の哲也さんは、この複雑な由樹子さんの女心を通訳なしでつかまれました方ですから、きっと大切にしてくださることと、安心いたしております。本当におめでとうございます。

 本日はお招きをありがとうございました。


 克子さんおめでとうございます。

 学生時代から、24になったら結婚する!!と宣言されていたあなたのことですので、結婚のご通知をいただいたときも、あなたにはそういう成算があっての宣言だったにちがいないと思いまして、そんなにびっくりはいたしませんでした。

 皆さまご覧のように、克子さんはほっそりとしていられて、大風が吹いたらとんでしまいそうな、なよやかな方ですが、芯はとてもしっかりとなさっておられ私など、いつも教えていただくことばかりでございました。特に、克子さんのお得意な、お料理の腕は、私たちグループの者が集まっては、その味を賞味させていただきましたので、これからも忘れられない味と申せます。

 お料理をおいしく作るコツは、材料の味を消さずにその持味を生かすことと、作る人の愛情によるといわれております。これからの菅井家の食卓に、どんな味のお料理がならべられますことか、友人としては、とても興味のあることでございます。多分、三か月後の菅井さんは、今の二倍くらいになられて、貫録十分の紳士になられるのではないかと、期待しているのでございますが。

 お料理の下手な女性を奥さんにすると"一生の不作"といわれておりますが、菅井さんは一生豊作のみのり豊かな女性を妻とされたのでございますから、まことにおめでとうございます。

 どうもはしたないことばかり申し上げましたが、どうぞ味のよい奥さまを大切に、末長くお幸せでいらしてください。

本日はお招きをありがとうございました。


もはや山形の文化!! 中華そば処琴平荘のあっさり中華をご自宅で!

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