本日はおめでとうございます。先ほどご媒酌人の方から、本日の本当の仲人は私なのですから、というお話しがございましたが、この結婚式は、仲人があって成立したというのではなく姫子さんと秋男さん、お二人の愛情だけで成立させたものでございます。私はただ、どちらの方もよく知っておりましたので、もしかしたらお似合いのこ夫婦になられるのではないかしら、と思って秋男さんのお姉さまに相談しましたら、お姉さまも姫子さんをよく存じ上げておられましたので、お話がとんとんと進んだわけでございます。

 秋男さんの姫子さんへの熱愛ぶりは、それはそれは大変なものでございました。これは、秋男さんのお姉さまから伺ったのですが、お二人が交際をはじめられてから、何か月かの後に、秋男さんの学生時代のお友だちが、さる大きなホテルで式をあげられたそうです。その時、友人として出席した秋男さんは、家に帰るまで待ち切れずに、お母さまに電話したそうです。「母さん、姫子さんのほうが、ずっと美しくて素晴しくて、可愛いらしいよ」とおっしゃったとのことです。

 ドイツの詩人、ラスカー・シューラーはこう歌っています。

 私はあなたの顔のなかに私の星空を夢みていた

 あらゆるとりどりの愛称を私はあなたに与えた

 そしてあなたの歩みの下に私は片手を置いた

 これも秋男さんの心境でございましょうか。こんなに愛されて花嫁になられた姫子さんは、女性の私たちからみても、美しく、可愛らしく、素晴しい方でございます。

 お二人ともいつまでもいままでの愛を見失うことなく、今日よりもっと幸せな日を作り出して下さい。簡単ながらお慶びのご挨拶と致します。


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