浩嗣君おめでとうございます。私は新郎の浩嗣君とは、学生時代からの友人で、悪友中の悪友と自負しているものでございます。なぜ私が一番の悪になってしまったかと申しますと、それは浩嗣君があまりにマジメ人間だったからです。

 最近では、会社勤めで少し人慣れはしてきていますが、学生時代の浩嗣君というのは、とにかく固くて僕たちが女性の話や、恋愛の話をしますと、「お前たちはどうしてそんなことしか頭にないのか」と一喝されたものです。

 いま新婦の真子さんを横にして、その鼻の下をのばしているあの様子からは、とても想像できませんが、とにかくそんなふうでしたから、彼の前では、悪を自称するわれわれも、少々つつしんでいたものです。こう申しますと、それなら彼はコチコチのガリガリ頭かと思われそうですが、そうではないのです。もっともコチコチのガリガリだったら、僕たちとつき合うはずもありませんが……。

 ただ、彼の趣味が高尚だっただけなのです。彼は、音楽鑑賞が趣味でありまして、○○の△△曲は、きっといまでもその音譜をそらでおぼえているのではないでしょうか。

 真子さんが浩嗣君のどこにひかれて結婚なさるご決心をしたのか、うかがったことはありませんが、あんがいキーはこの辺にあるのではないかと思われます。われわれ悪友達がみんな身を固めてしまい、浩嗣君だけが独身をほこっていたのですが、それもきょうでエピローグになって、また条件が同じになったわけですから、うれしくってたまりません。

 真子さん、ときどきはわれわれが浩嗣君をツーリングに誘ったり、マージャンで徹夜をしても彼を責めないで、大きな目でみつめていてください。そのことだけはこの席をかりて、真子さんにお願いしておきたいと思うのです。今日隠しているツノは、できれば一生かくしておいていただきたいものと、男性として切にお願いいたします。どうも失礼いたしました。


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