一体何のための施設だ?「東京連絡所」
今から約四年前、私は妻と二人で東京・武道館まで、最愛のMusician "David Bowieのコンサートを聴きに行った。

Bowieを観るのは私は二度目だったが、妻は初めてのことで、二人、とても楽しみに東京まで出かけたのであった。

その際宿泊先として選んだのが、今回問題として取り上げる、「本荘東京連絡所」(その名称にも疑問あり)という本荘市で設置している宿泊所であった。ここは市民なら誰でも利用でき、一般のホテル・旅館よりは安く泊まれ、ちゃんと食事までできる。私はそのコンサートの日より一年ほど前に一度利用したことがあり、その時は特に問題なく利用できたので、今回もそこにしようと思って、前もって予約しておいたのだ。


コンサートは素晴らしいもので、私たちは大満足で帰途につくことにした。そしてその「東京連絡所」に武道館前から「これから向かいます。」と妻が電話連絡。「ハイ、お待ちしております」と、了承を得たのが九時半過ぎ

とろこが、コンサート終了直後だったので、一斉に人が地下鉄九段下駅に集中し、九段下から「東京連絡所」のある日暮里までは、どう急いでも三十分前後はかかると判断し、駅の電話から「到着は十時を少し過ぎるくらいになる」と、伝えた。すると今度は、「それは困る」という。


我々は、今回のコンサートの件を前もって(前日)話し、正確に何時に終わるかはわからないし、それによって到着時間(およそ午後十時過ぎ)も変わってくるということを、ちゃんと事前に説明してあった。それなのに、「東京連絡所」の電話の応対をする者がコロコロと変わり、またそれぞれの職員が話の内容を把握していないのだ。


「さっき電話で応対した人は(遅れても)良いと言っていた。いまさら困るって言ったって、こっちも困る!大急ぎで帰るから、待っていてくれ。」と、私もだんだん電話の応対にムカついてきたので、語気を荒らげはじめていた。

そして、日暮里駅までついたとき、もう一度東京連絡所に電話を入れた。これが十時二十分頃だったと思う。

「今、日暮里の駅までついたから、これからすぐ向かいます。」と。

すると電話の向こうから信じられない声が。「とっくに約束の時間を過ぎているので、泊めるわけにはいきません。」だと。

大急ぎで電車を乗り継ぎ、ホームというホームを猛ダッシュで走りまくり、少しでも早く着こうと、ダラダラに汗だくになってした電話の応対がこれだ。私は初めこの電話の内容を理解できず、何度も聞き直したが、どうもまた、電話の応対の人物が違うのだ。到着が十時半でもOKだと確約をもらったから急いだのだが、今電話口に出ている者は「そんなこと知らない。時間が過ぎているから泊められない。」の一点張り。取り付く島もない。

もう私は、・・・・・キレました。

「オメーら、一体何様のつもりだぁ!!!」


まだ約束の時間までは余裕があったのに、泊めることができない・・・・?ふざけんじゃない。

これが本荘市のやることか。市民税等で運営している施設ではないのか。(詳細はわからないが)

たまに市政だよりという市発行の広報紙にも、「東京連絡所のご利用を」などと宣伝していたりするが、とんでもない!あんな所、頼まれたって二度と使うものか。私は周囲の人にも、どんなに安くても、親近感があっても、あそこだけは利用するな!と言っている。


私たちは、私が思いっきり怒鳴(バカヤロー!)って電話を切ったあとも、あまりにも激怒状態が続いていたので、すぐ駅前に飲みに行き、憂さを晴らし、その後やはり駅前にあったシティホテルみたいなラブホテル(?)に緊急INNして一晩中「東京連絡所」の対応について怒りをぶちまけあった。コンサートのことなど、忘れてしまうくらいの勢いで。

私たちがこのような悲惨な門前払いを食らったときは幸い夏だったので、急に宿泊先が無くなってもそんなに辛い思いはしなかったのだが、実は最近、私たちと全く同じような体験をした人がおり、その人の話を聞いたことによって、今回この話を書いたのである。怒りがぶり返してきたのだ。

その人の話は概略するとこうである。
本荘市民のTさんは友人と秋葉原まで車で買い物に出かる用事があり、前もって「東京連絡所」に宿泊の予約をしておいた(朝食の予約も一緒に)。 買い物は思ったより時間がかかった上、寒気が入り込んだせいで道路が凍結気味で渋滞、「東京連絡所」への到着時間が遅れそうだった。そこでその旨を電話で連絡。するとやはり返ってきた返事は「泊められません。」「車では来ないで下さい。」(相変わらず容赦ない。四年以上過ぎた現在もまだ全然改善されていない。)Tさん達は、やはりその応対に激怒し、宿泊すべてをキャンセル(当然だ)し、寒空の下、路上駐車で一夜を明かしたらしい。風邪でも引いていたら誰の責任になるのだろう。
繰り返し言うが、これが本荘市という地方行政のやることなのだろうか。

確かに私たちにも、Tさん達にも、時間を守る上での違反はあったと思う。しかし、利用者の一切の事情も考慮せず、しかも、電話を受ける者によって宿泊の「可・不可」という重要な判断がころころ変わることにも憤懣やるかたない。そしてこちらの事情よりも、職員が自分たちの事情を優先させ(朝が早いから早々に寝てしまうようだ)、東京のど真ん中で門前払い。最低でも他の場所を紹介するとかできんのか!職員達は、そこいら辺に泊まる所くらいいくらでもじゃないか、そんなふうに思ってるのだろう。そうでなければ、あのような冷徹なことはできないはずだ。それにしても、なんであんなに行政機関というものは柔軟性がないのか。

まして、宿泊不可の旨をもっと丁重にお断りされるのなら、まだこちらもそんなに怒らないのだが、あの電話の応対は、まるでこちらが犯罪人のようなことを言うのである。

本荘に限らず、田舎から東京まで出向くという行動の裏には、出張で嫌々行く人もいようが、ほとんどの人は心のどこかにウキウキ気分を抱えて行くのである。私たちは正にその極地で、とても楽しいはずの東京行きが一転、非常に腹立たしいものになってしまったのだ。きっとTさん達も、何が悲しくて東京の寒空のもと、車の中で寝なければならないかと、きっとハラワタ煮えくり返っていたことであろう。そういった旅行者の気分を「東京連絡所」の者達はわからないのだろうか。話によると、その者達も本荘市民で、出稼ぎのようにそこに詰めているらしいが、同じ本荘市民に対して何か恨みでもあるのだろうか。それともめちゃくちゃ薄給で、それに対する恨みなのだろうか。そんなことはどうでも良い。我々一般旅行者にはそんなことは関係ないのだ。

私はただひたすら、本荘市のこの施設に対する運営の抜本的見直しと、職員の教育の徹底を促してもらいたいと切に希望する。また、施設の利用条件を市政便り等に明記するとか、もっと市民に詳しい情報を提供するべきであると思うのだ。


あーっ、四年も前のこととはいえ、思い出しただけで腹が立ってきたゾ。オウム(アレフと改称)の上祐が、横浜のホテルで宿泊拒否されたのとはわけが違うぞ! 00/2/1記

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