今 子供番組がおもしろい!
私は世の中一般の男性諸氏とはじゃっかん仕事形態が違うので、テレビを見る時間が多くとれる生活を送っている。

だからサッチーVSミッチー戦争から、今の「マリオン」VS「デビル婦人」の問題、CXのヤラセ問題もしかり、NHKの問題児「松平」アナがV中に、スタッフに向かって鉛筆を投げつける「暴力(?)」場面もかいま見れば、同じくNHKでは、原稿を読み間違えたアナの背後から、地獄からのささやきのように重苦しくも恐怖感のある、「間違い訂正委員」の声などもしょっちゅう聞くことができる。(あれは怖いぞぉ。またその間違いを指摘されたアナの引きつった顔がまた怖い)

テレビはダラダラと見ていてもつまらない。どこかアラを探すように見聞きしていると、必ずおもしろい発見がある。

生放送番組の放送禁止用語連発ゲスト(年輩者か、若くて頭の弱い芸人に多い)は、見る者までを緊張させる。まさにハラハラドキドキものだ。特に(またしてもNHKネタだが、)お昼番組の"スタジオパークからこんにちは"はそんな意味でとても楽しみである。

以前出演された山田五十鈴さんは、かつてなら何も問題のなかった「ある禁止語句=crazy」をペロッと吐いてしまわれ、後で堀尾アナと高見知佳ちゃんがお詫びしていた。ところが山田さん本人にはその罪の意識(?)がないから、「なに?どうして謝ってるの?」といった表情だったのが印象的だった。

頭の弱い芸人ではかつて山崎ホーセイ君が、ある種(ピント合わせ不要)のカメラを手に取り、「これはいわゆる×××カメラでーす!」とあの大声で紹介しちゃったもんだからさあ大変。これは明らかなる差別用語なので、ちょっと知識のある方は間違っても公言しないのだが、彼は悲しいかな、公共の電波を使い、声高らかに全国に向かって自分の無知を披露してしまった。CM後、司会者が平身低頭していたことは言うまでもない。ああ、哀れなるかな・・・。

私がいつもお世話になっている佐々木先生のうんちくにもあったが、一応大学を出たはずの女子アナが「教諭」を「キョウロン」と読んだり、「中山道」を「ナカヤマミチ」と読み上げることなど、日常茶飯事状態だ。

このようにテレビを見る時間が多いと、次第にアラを探し始めるようになり、そんな自分に気づくとちょっとイヤになってくるのだが、そんな色眼鏡を取り、自分の鎧まですべて外して、ゆったりした気分で見ることができるのが、何を隠そう、ETV(教育テレビ)の子供番組である。

はい、そこの人、笑わないで。


だってうちには1歳10ヶ月になる娘がいるんだもの。しょうがないでしょ。

私の一日のテレビライフは、朝7時半に始まる。そう、見ている人は知っている、そうでない人は絶対に知らない、「ひとりでできるもん」が始まるのだ。

♪君のハートに隠れてる、キラキラ・・・♪で目覚め、くどいほど再放送する内容の同番組を寝ぼけまなこで娘とともに見る。大人にとっては「これ何回目?」と怒りすら覚えるほどの再放送ということが多いが、そんなことはちっちゃな子には通じない。むしろ楽しんでいる。何といったって、子供に飽きはないのだから。

最近沖縄ロケに行ってすっかり日に焼けた「マイちゃん」が、一生懸命料理を作ったり、写真を撮ったり、人形を作ったりと、まさに八面六臂の活躍だ。それを真剣に見ている娘。今から将来のお手伝い計画を頭に焼き付けているかのようだ。(マイちゃんについて)


かわいいマイちゃんが終わると、私のHPでトップを飾っている「おじゃる丸」のはじまり、はじまりぃ。ぱちぱち。

♪夢を描いてぇ〜高い空ぁ、見ればぁ〜〜♪と朝早くからサブちゃんこと北島三郎御大ボーカルのテーマソング。♪まったりまったりまったりなぁ〜〜♪と朝一番で歌われると、その日一日が実に「まったり」してくるんだなぁ。

毎度登場しておじゃる丸のシャクを狙う子鬼達、アオベエ・アカネ・キスケの3人(3匹?)。上から7歳、6歳、5歳の設定だ。ちなみにおじゃる丸も5歳である。子鬼達は毎日、おじゃる丸が閻魔大王から奪った「シャク」を取り返すべく彼の前に現れるが、謎の「合体」をしている間におじゃる丸に逃げられたり、追いかける間につまずいたりしただけで、あっけなく「今日の所はひとまず、引き上げるでごんす」と長男格のアオベエが号令をかけ、すたこらさっさと逃げていく。

毎日がこのやりとりの繰り返しと言ってもいい。実に単純明快、ほのぼの漫画の傑作だ。

原作の犬丸りん氏は、かつて講談社のモーニングという青年雑誌に、「なんでもツルカメ」というショート漫画を連載していた。私はそのころからの大ファンで、連載が終了してからというもの、次作を心待ちにしていたのである。そこへ思いがけなく「おじゃる丸」をひっさげて復活した犬丸りん氏。最近ではすっかり名前もメジャー化して、今や乳幼児を持つ親にとっては神格化(?)されるほどの漫画家となった。めでたし、めでたし。


続いて始まる「英語であそぼ」。これも息の長い番組だが、今出演している「クリス」役のお姉さんは、往年の「アイアイゲーム」で見事な天然ボケで人気があった「カベにミミアリ、クロード・チアリ」の娘さんだ。なかなかのグラマー。(と書くと自分もオッサンになったんだなあと思う......)

エディーという、タマゴに足をつけたようなキャラが出てくるが、中に入っている人はいったいどのような格好をしているのだろう?と妻と推理している今日この頃。きっとイスに座って動き回っているはずだから、お尻にマメができているかも。(笑)


♪何が見えたの?どんなふうなの?ねえ、教えて。♪

「いないいないばあ」今年からメインの女の子が、カナちゃんからリナちゃんにバトンタッチ。私個人的には、ちょっと生意気で、ちびっ子マン体操もダラダラと進行する「カナちゃん」の方が好きだったなあ。今のリナちゃんはちょっとオンチだし。なによりも、リナちゃんは良く紙を切って工作する子なので、それを見た娘もマネをして、絵本をビリビリやるので困るぞ!切った後はちゃんとテープで貼ってくれといいたい。

この番組の中で挿入歌として流れるものの中には、秀逸なものも多数ある。子供の歌には、簡単なメロディの中にも、人を和ませたり、郷愁に誘うとんでもないテクニックが入っているのだ。その歌関係については次の番組、大御所「おかあさんといっしょ」で。


今年で放送開始から40年を迎えるという超長寿番組、「おかあさんといっしょ」。その名称は時代とともに再考すべきであるとの意見もあるが(女性蔑視反対論者系より) 私はずーっとこのままで良いと思う。何よりあたたかいタイトルではないか。これがもし「おとうさんといっしょ」とか、「おばあさんとおじいさんもいっしょ」なんてものだったら、なんか臭いそうだぞ。

歌のおにいさん・おねえさん

現在の歌のお兄さんとお姉さんは、今年の春から変わった新しいお2人。その前はあの「だんご3兄弟」を歌い、一躍時の人となった速水けんたろうさんと茂森あゆみさん。正直に言うと、今の2人はまだまだダメですね。変わって半年経つものの、まだ私たち夫婦の間でも、けんたろうお兄さんとあゆみお姉さんが恋しくてしょうがない。また「デ・ポン」もいただけない。以前のトライ・トライ・トライの松野ちかお姉さんは、秋田出身ということもあり、とても親近感があったが、今のタリ・キヨコさんは、まず名前が怪しいなあ。(笑)それよりもなにより、デ・ポンに登場する子供自体が楽しそうにやっていないではないか。トライ・トライ・トライではそんなことなかったなぁ・・・・。

つい先日、40周年を記念したコンサートの模様が放映され、歴代の歌のお兄さん・お姉さんが登場して、非常に懐かしい思いで拝見したが、やはり私個人的には、歌のうまさでは神崎ゆうこさんがトップだと感じた。あゆみお姉さんも独特のソプラノで、踊りもうまくスタイルも良いが(最近めっきり色っぽくもなってきた)、ゆうこお姉さんはもっと良いもんね。最近彼女は子供向けのビデオなど(ぷちシアター)に出演したり、コンサートも行っているらしく、やはり歌唱力は抜群である。なによりスタイルは群を抜いていた。(ああ、オッサン....)

子供の歌に求められるもの

そのゆうこお姉さんといっしょに歌っていた坂田おさむお兄さんは、歌もさることながら、作曲家としての才能も見逃せない。彼が作曲して、現在も歌い継がれているものは数多い。とても簡単な節回しだが、「あなたも作ってみなさい」といわれたとしても、なかなか作れるものではない。

子供の歌というものは、先にも書いたが、コード進行が複雑になってはいけないし、歌詞もわかりやすくて親しめるものでなくてはいけない。単純で普遍的なもの、これはかなり条件が限定される作曲となる。昔から「おかあさんといっしょ」の音楽を担当してきた越部さんは、4000を超える数の曲を作ってきたというが、私はこういう人に名誉ある賞を贈るべきではないかとさえ思う。越部さんとともに「おかあさんといっしょ」を音楽面で支えてきた福田和禾子さんも実に素晴らしい曲を書く。越部さんはの曲調は一言でいうと、誰でもすぐに親しめ、覚えやすいもので、福田さんは現代的なコード進行、一度覚えると忘れられないような美しいメロディライン、とでも言えるだろうか。

「だんご3兄弟」人気考

他にもまだたくさんの作曲家の方々の歌が今も歌われ、現在も毎月新曲が発表されている。あの「だんご3兄弟」もそんな中登場した歌なのである。それまでの歌の調子とは全く違い、聞いた瞬間「おっなんだこれ?」と思ったくらい、「おかあさんといっしょ」の中では浮いていた。さらにあの歌は、歌そのものよりも背景で流れていたアニメの方が興味深く、子供よりも親の方が画面に吸い寄せられたと思う。もちろん歌も良かったのだが、キャラのかわいさ、不思議さも人気に火をつける要因になったことは間違いないはずだ。1月の新曲として登場して以来、あれよあれよという間に日本全国を席巻していったとは周知の事実である。そしてちょうどお兄さん・お姉さんの引退と重なったので、2人はその後一般の人の間にも知られる存在となっていった。
ちなみに、けんたろうお兄さんは、歌のお兄さんになる前はなんと演歌歌手としてデビューしており、もともとプロの歌手だったのだ。あゆみお姉さんは、番組出演中は子供達がぶつかってケガをしないように、貴金属などのアクセサリーは一切体につけないように心がけていたらしい。また町を歩くときも子供達のイメージを崩さないように、歌のお姉さんそのままに振る舞っていたという。彼女は根っから性格がいい人らしい。
引退してしまって寂しい限りだが、2人の今後の活躍を願うのと同時に、一度でいいから秋田までファミリーコンサートで来てもらいたいなあ・・・。


「おかあさんといっしょ」に未来はあるか

私の娘もいずれ成長するにつれて、父が一生懸命ここに書いた子供番組は見なくなるに違いない。成長するということはそういうことだ。
周りの人も「おかあさんといっしょ」を見ているうちがかわいい盛りよ、という。次第にキャラクターものに目覚め、歌のお兄さん・お姉さんは見向きもしなくなるという。私もそう思う。自分もそうだったような気がする。だが不思議なもので、自分の子供を通じて再び「おかあさんといっしょ」を見て、懐かしい歌を聴いて思わずジーンときたり、一緒に歌ってまたジーンときたりして、とても楽しい時間を共有している。
こんなに人を和ませる番組は他にない。

子供を持つことが、テレビ大好き親父(私)に思いもよらぬこのような副産物を与えるとは、想像だにしていなかった。
まだこの先しばらくは、娘とともにETVのお世話になり続けるだろう。
しかたない、それではバカ高い受信料も払い続けねばなるまい。
まして妻のお腹には、"予備軍"まで入っていることだし・・・・。
そんなわけで、私の子供番組ウォッチャー生活はまだまだ続く予定である。(苦笑)

 

最後に、私が娘に「おかあさんといっしょ」の歌を歌ってやると、それまで機嫌が良かったのに、突然足をジタバタさせて、「ダメぇーっ」と泣き叫ぶのは何故だろう。これだけは解明できないぞ。うーん。(ヘタだから?ねえ?)