トヨタ財団 地域社会プログラム助成金贈呈式
 4月8日、東京千代田区の経団連会館でトヨタ財団の2005年度地域社会プログラム助成金贈呈式が開かれ、篤子事務局と出席しました。当日は採択された47団体の代表者約100人と関係者20人が列席しました。最初に「地域社会における『くらし』と『いのち』の支え合い」というテーマで5人のパネリストによるディスカッションが行われた後、贈呈式となりました。贈呈式ではトヨタ財団の理事長・木村尚三郎さん(歴史学者、東大名誉教授)、地域社会プログラムの選考委員長・姜尚中さん(政治学者、東大教授)があいさつされました。姜さんは先日の教育テレビ「女性のうつ」に出演するなど幅広い社会問題に関わっています。私たちは偶然最前列の席だったので有名なお2人のお話を目の前で聞くことができました。
○「トヨタ財団」とは?
トヨタ財団は1974年にトヨタ自動車が設立した助成財団です。「助成財団」とは研究や活動に助成金を出すために作られた財団のことです。私たちのような市民団体にはありがたい存在です。なかでもトヨタ財団はさまざまな市民活動に助成金を出してくれる財団として有名でした。
今回私たちが出した「地産地消の料理教室を起点とした郷土食に関わる人・食材・料理法のネットワーク」という計画は「地域社会プログラム」という枠で採択されました。このプログラムは「地域社会の再構築を目指して−支え合うくらしといのち−」をスローガンに、「グローバル化にともない空洞化や荒廃にさらされている、『くらしといのち』を支える場である『地域社会』の再構築と活性化を目指す」ことを目的としています。
実際、今回採択された47団体のテーマを見ると、「ニート・ひきこもり・不登校の青少年の地域参加」「認知症の方の支援」「子供を育てる地域社会」など、今の地域が抱える具体的な問題解決に取り組む計画が目白押しです。農と食に関する取り組みでは、秋田県から手這坂活用研究会が選ばれたほか、「真室川もてなしの形づくり」(山形県)、「中山間地におけるCSA(地域が支える農業)」(新潟)、「農業小学校」(滋賀県)、「ぎょしょく(魚食)教育」(愛媛県)、「女性農業者ネットワーク」(福井県)などがあります(詳しくは次のホームページで見ることができます。
http://www.toyotafound.or.jp/shimin.html
○姜尚中さんのお話
 トヨタ財団はこれまで都市部の市民活動を助成してきましたが、「私たちの助成を本当に必要としている人たちは地方にいるのではないか」という反省から、「地域社会プログラム」を始めました。応募の少ない地域に出かけていって説明会も開きました(注:秋田県でも昨秋説明会があり、私たちもそこでこのプログラムを知りました)。
 選考しながら見えてきたのは、地域社会の疲弊や不振にもかかわらず、実に多くの人々が自分たちのまわりにあるさまざまな人的・物的あるいは歴史的資源を発見・活用するため、涙ぐましいほどの努力をしている姿でした。
 地域社会の活性化とは、単なるカネの多寡ではなく、こうした創意工夫によってさまざまな地域社会の問題を解決し、よりよいくらしといのちを育もうとする人々によって担われていることを痛感しました。地盤沈下の著しい地域にも、それをはねのけるパワーと知恵、ネットワークを持った人々がいることを示しており、これらの人々の元気づけることこそ、このプログラムの意義であると再認識しています。
 選考にあたっては、地域社会の抱える問題を解決するために触媒的な役割をしている人や団体を選びました。その活動が身内の仲良しクラブではなく、活動が外に開かれ、他の人々と交流しながら向上し続けることを期待しています。

トヨタ財団助成金贈呈式の記念撮影
後列の左から2人目が谷口代表、となりが篤子事務局。
前列中央に木村尚三郎さんと姜尚中さんが座っています。