3/24 田沢湖高原&田沢湖スキー場

 早朝午前六時出発。途中同行の中高生を拾いながら、田沢湖町到着は、渋滞もなく、ほぼ予定通りの午前八時過ぎ。駒ヶ岳が、雲一つないピーカンの空に、とてもまぶしく映える。のコントラストの、強烈な対比。到着してしばらくはあまりにもの美しさに、感動しっぱなしであった写真1 到着してすぐに、田沢湖高原スキー場に行く。まだゲレンデには誰もいない。ビシッと圧雪されたゲレンデ。(写真2)昨日降った新雪が所々に残る。とても三月後半の状態とは思えない。リフトから降りた私たちは、早速カッ飛び出す。もういても立ってもいられない気分。そんな気持ち、これを読んでらっしゃる方なら、どなたでも一度はご経験おありでょ?実際滑ってみると、雪の質がまた良く、ますます気分が高揚してくるのがわかる。これは早めにここ(高原)を切り上げて、となり(田沢湖)に行って、パフパフパウダーを滑りたい!という欲望が、自分の中で渦巻いてきたので、高原スキー場は、一日券を引き替えたものの、たった一回だけ滑ったのみで、すぐにお隣、田沢湖スキー場に変更する。 

 田沢湖スキー場では、以前行われたインターネットでの“リフト券プレゼント”に当選していたので、事務所で一日券をいただき、3800円が浮いた。いざクワッド・リフト乗り継いでついた頂上。何回も書くように、ピーカンの空の下、眼下には雄大に水をたたえ、神秘の色を醸し出す田沢湖。遙か遠くには、雲上から顔を出し、威風堂々の鳥海山、その上三日月までもが頭上遙かに輝いている。駒ヶ岳の美しさといったら、例えようのないくらいだった(写真3.4)。そして足下には極上のパウダーが。  なお同行した若い子達(写真5)は、パウダーどころか、1km以上のゲレンデを滑ったことがなく、ましてちょっとした急斜面の経験もないものだから、いきなり頂上から滑らせるのは少し過酷だったかも知れない。だが、まだほとんど誰も滑っていないパウダーは、ボードを浮かびあげ、雲のじゅうたんのように私を運んでくれる。木立の中、舞う粉雪とともに滑り降りる。スーッと言う、形容しがたい音を立てて滑る板は、まるでいつもの板と違うようにさえ感じる。ふと後ろを振り返ると、雪だるま状態(写真6)になって、転げまくる二人の中高生。しかし私はそんな彼らに構ってる暇はなかった。自分の快感に精一杯なのだ。こんな良い状態で、わざわざ止まって彼らを待ってなんかいられない。無情にも私はひたすらキントウンに乗った、孫悟空状態を続けたのだった。

 時間がたって、昼近くになると、もう気温がどんどんと上がり、大げさな言い方かも知れないが、Tシャツ一枚でも滑れるような陽気になってきた。当然雪はみるみるうちに水分を含んでいったが、それでもまだまだ滑る滑る。柔雪のエッジングは体で覚えてきているので、少々のことではバランスを崩さなくなってきた。ことにバックサイドでのしりもちは、視線さえしっかり進行方向を見て、両足に加重していると、多少エッジングを強くしすぎて雪がその圧力に耐えられなくなり、ベコッとエッジがはずれても、決してオケツドスンとはならないものである。(従って、この日自分的練習は、しっかりとした屈伸抜重であった。)そしてだんだん調子に乗ってきた私たちは、コース内にあったキッカーを見つけ、大遊び。連れの二人は元々フリースタイルなので、飛びたくてしょうがない。しかし内心はビビリまくり。そんでもって私が見本を見せようと、アルペンボーダーの禁じ手を破って、飛びました。フレックスのめちゃくちゃ硬い板で。飛びましたねー、板が折れたんじゃないかと思うくらい。(禁断の写真7.8)

 その後は雪がますます柔らかくなり、フロントサイドで前足加重を少しでも強めようものなら、前足から雪面に刺さっていき、ものすごいデンぐり返しをするようになった。こういう時は、一瞬何が起こったのかわからないんですよね。だから受け身も取れないし、しかも緩斜面で起こりやすいので、逆エッジとともに危険な転び方です。そうなってきたから、雪の状況、連れの疲労度の極限状態(ドラクエHP100のうちの5くらいで、ベホイミかけてもダメ状態)、自分の足のパンパン度などから、営業終了の少し前に切り上げた。最後は軽く流して(写真9)終了。まだ余力はあったが、やはりケガはしたくない。連れの子供達はもう完全にグロッキーで、帰りの車中では、別にラリホーをかけたわけでもないのに(注・知ってる人だけ笑って下さい)熟睡してしまった。私よりも一回り以上も若いくせに、情けない奴らメ!とも思ったが、慣れない広いゲレンデと、コブ斜、そしてリフトの乗り換えなどでよっぽど疲れたのだろう。「もし車の中で寝たりしたら、一人ポツンと駅に置いていって、そこから一人で帰ること」、なんて脅しかけてもダメでした。子どもは眠いときはとことん眠いのでした。

 こんなわけで、無事ケガもなく、一生のうちそんなに何回もないような好天に恵まれ、また雪質にも恵まれ、本当に素晴らしい一日であった。4月11日まで田沢湖スキー場は営業するらしい。それまでもう一度行って、今度はTシャツで滑りたいものだ。

 余談  ジャンプ失敗のため、現在首が回りません。アルペンライダーとしては、メイクを決めることはすんごいことなんだなぁ、と実感しました。でもやっぱりわたしゃ、カーヴィング命ですね。

おしまい。

 

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