2/7(sun)ナイター

 昨日までの寒気も一段落し、今日は日中から暖気で雪が解け始める。おかげで矢島スキー場も、ナイターでは雪がカチコチ。わずかにポールコースのみが柔らかく、人が集中していた。

本日の課題は、その雪質のせいで急きょ変更。先日までのパウダーの滑りを一切忘れて、ハードバーンでのパワーターンを心がけることにした。ハードバーンでは当然荒れた雪面の衝撃がダイレクトに膝に伝わってくる。従って中途半端な圧のかけ方だと、ものの見事にはじかれる結果となる。当然スピードも乗ってくる雪質なので、いかにカービングしたまま減速していくかの技術、これが必要になる。しかし当たり前のことだが、思いっきり滑る雪質での減速のないカービングは、自殺行為である。自分が死ぬならまだ良いが、他人にぶつかったりしたら大変なことになる。アルペンライダーは、私も含めてどうしてもスピードに魅力を感じているはずだが、子供から年輩者まで滑っているゲレンデという狭い範囲では、自分だけとばしてビュンビュン行くわけにはいかない。また、それとは逆に、人の込み合っているゲレンデで、大回りターンでいい気になってもいられない。 話がそれたが、やはりスピードの出る状況でのきれいなカービングターン、これは以外と難しい。なぜ難しいのか、それはアルペンライダーにとってドリフトターンが格好悪いものと決めつけている風潮が、なきにしもあらずだからだ。私もはじめたての頃はそうだった。ドリフトを完全にマスターし、カービングに移行したとき、もう二度とドリフトなんかするものかと思ったものだ。(若かったぜぃ)ところが何年かして、大きなスキー場で、とんでもないコブ斜面に出くわしたとき、その概念がぶちこわされた。当然コブではカービングオンリーでは下りきれない。仮に下れたとしても、それはあまりにリスキーである。スキーのモーグルとは基本的に違うのだから。

それではどうやってハードバーン、またはアイスバーンでカービングをしていくか。ドリフトも所々混ぜながらターンするのは基本だが、しかしそれでもアイスバーンでは通用しないことがある。そんなときはどうするか、それはもちろん、伸身抜重のパワーターンである。ターン弧を描いているとき、モモからヒザ下にかけて、これでもかとばかりに雪面を押してやる。視線はもちろん進行方向だ。間違ってもフォールラインではない。カービング体制に入ったら、軸は絶対にずらさないように心がける。そうすれば多少のコブ、荒れでもエッジが飛ぶことはない。(はずだ)

今日は珍しくスキー場に、アルペンの集団が居た。ポールを立てて練習を繰り返していた。ただそんな彼らを見てて思ったのだが、どうしてフリーランだとお決まりのショートターンしかしないのだろうか。見ている限り5〜6人全員がそうだった。ショートターンという技術は、それだけ繰り返していると完全に癖になってしまい、なかなか中回りとか大回りができなくなってしまうものだ。なんと言ってもショートターンはリズムそのものだから、斜面を見ると、ついリズムが頭の中で連呼し始め、最初から最後までショートターンで降りてしまうことにもなりかねない。オレはそれで良いのだ、と言われれば仕方ないが、せっかくだから少し大きめのターンで、体全体でおもっいっきり地球のGを感じてもらいたいと思うのだが・・・・・スノーボードの魅力はそこにあるはずだし、あれを味わうと病みつきになるんだけどなぁ。そんなわけで私は、よっぽど人が居て込んでるゲレンデとか、オニコウベのように殺人的コース幅のゲレンデでない限り、ショートターンはしないことにしている。私は数年前に、リフトに乗ってる人へ "どーだっ!ショートターンだっ、ウェーデルンだっちゅーの!" と見せる滑りは卒業したつもり。

それにしても今日みたいなハードバーンでは、年のせいか、足にくるなぁ。


2002年2月更新

先日私の掲示板にズレズレライダーさんという、私と同じく矢島スキー場に通うアルペンライダーさんから次のような書き込みがあった。ショートターンに関する一考察だ。
私はこの書き込みを見てとっても嬉しかった。
なぜって、このような書き込みをホームページ開設からずーーーーーーーっと待っていたんだもの!

以下引用。

はじめまして。MICK-Rさんはかなりアルペンがお好きなようですね。楽しくまた興味深く日記読ませてもらいました。写真も多く楽しめます。次の更新を期待しています。さて、私も大好きな矢島に通うアルペンライダーの一人ですが、カービングターンについてですがMICK-Rさんと多少解釈が違う部分があります。2/7(SUN)ナイターのALP日記でポール練習している集団のショートターンを否定する内容がありましたが、あれはスラローム(SL,PSL)と言う競技の練習をしているからそれを意識してフリーランしているんですよ。矢島で昼頃〜ナイターでSLの練習している事がが多いからたまたま目にする事も多く彼らをショートターン命みたいに感じるのでしょう。ジャイアントスラローム系(GS,PGS,SG)の競技もあってその場合はロングターンを多用しますし、それを意識してフリーランもします。練習している光景も朝一〜昼にかけて目にします。これには理由があって大会でGSの後にSLをやるからです。あと競技では瞬間的な強い切換しが要求されます。いつまでもエッジに乗っていると叩かれる確率が高くなりリスクが大きいからです。競技者はコンマ何秒の世界で戦うわけでどうしても常日頃から競技を意識して体を倒さず早い切換しで滑るので、体を倒して長い時間板をたわませながら乗るフリーカーバーとはまったく乗り方が違います。あれでは危なくてポールの中で早く滑れません。ちなみにあそこでよく練習している人たちはプロ、アマチュア両方いますが日本でトップレベルのライダーが2人、東北エリアの大会でラップタイムを叩きだすとても早いアマチュアライダーが数人います。競技の乗り方は見た目美しくなくかっこ悪いんですけどね。まあ同じアルペンを愛する人たちですからお互い仲良くやりましょう!  −ズレズレライダーより−

 

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